設立趣旨

佐賀県鳥栖市田代から基山町にわたる一帯は、慶長四(1599)年に対馬藩田代領となり江戸時代中期に「田代売薬」が起こったところです。それ以後の「田代売薬」の発展は、この地区に社会面及び経済面で大きな蓄積を残し、今日では製薬は佐賀県の産業の一翼を担うまでに成長しました。しかし、近代化の流れの中で、くすりの製造・販売に関わってきた伝統的な道具、文書類などはそのほとんどが散逸し、歴史のかなたに消え去ろうとしています。 これを惜しみ、先達の活躍に思いをいたすとともに「くすり」の文化遺産を通してくすりに関する産業文化を後世の人々に伝え、これからのくすりと健康について考える生涯学習の場として役立つことを願い久光製薬株式会社の創業145周年の記念事業として当博物館を設立しました。

基本設計

博物館の基本設計はイタリアの現代彫刻家チェッコ・ボナノッテの手によるものです。石とガラスを基調にした建物は、シンプルで力強く、神辺町の美しい風景とよく調和しています。

生命の種子

エントランスホールではチェッコ・ボナノッテによる大作「生命の種子」を展示しています。

一階展示室

1階展示室は、現在のくすりに関する情報を紹介しています。 病気を治療するためのくすりがどのように体に働きかけるかを学ぶ「病気とくすり」。剤形により18種類に分けられるくすりとその特徴について解説した「くすりのかたち」。新薬開発の過程について紹介した「新しいくすりができるまで」やくすりの歴史年表(世界編)も。 映像コーナーではくすりの副作用を減らし、より安全に早く、くすりの効果をもたらすための製薬技術についてのVTRを見ることができます。

そして19世紀末のイギリスの薬局を移設した「アルバン・アトキン薬局」や世界最古の処方箋と言われる「シュメールタブレット」の複製品、昭和30年代にアメリカから輸入されたファイバースコープも展示しています。

アルバン・アトキン薬局

19世紀末、イギリス・ロンドンにあった薬局を移設展示しています。店内には約20,000点の資料が納められたままになっており、当時の薬局の様子を見ることができます。

製薬機械

昭和時代に利用されていた製薬機械を展示しています。大型機械が導入される以前のもので、小規模の工場で使われていたものです。

二階展示室

江戸時代、当地に発祥した田代売薬は、富山売薬(富山県)、大和売薬(奈良県)、近江売薬(滋賀県)とならぶ日本四大売薬のひとつです。博物館では江戸から昭和時代にかけてつかわれた田代売薬の製薬・行商道具、くすりなどを展示しています。
そのほか、くすりの材料となる生薬や江戸時代の医家が用いた医療用具や古書籍などもあわせて展示しています。

生薬

古くよりくすりやその原料として利用されてきた生薬は、その由来により鉱物性、動物性、植物性に大別されます。博物館では希少なものも含め、約70種類の生薬を展示しています。

薬舗

江戸時代の日本の薬局を復元設置しています。くすりの材料となる生薬を保存する薬箪笥やくすりの看板など、当時の様子をうかがい知ることができます。

田代売薬

平成28年4月、当館所蔵の田代売薬関連資料が佐賀県の重要有形民俗文化財に指定されました。2階展示室ではその一部を展示しています。

平野家資料(寄託資料)

有馬藩(福岡県久留米市)の医家、平野家に伝わる資料です。往診に用いた薬箱や天然痘について書かれた写本などを展示しています。

薬木薬草園

薬木薬草園は平成14年4月10日に開園しました。 広さ2,400平方メートルの園内を4つのエリアに分け、一年を通して、約350種類の薬用植物を育てています。薬木薬草園内はスロープになっており、車いすやベビーカーでもご利用になれます。

四季の道

「四季の道」は身近な薬木、薬草を集めています。鳥栖市の木として親しまれるモチノキや佐賀県の木であるクスノキ、そのほか、ナンテン、ツバキなど県内に自生している薬用植物を楽しめます。

彩りの丘

薬草園の中央部、「彩りの丘」では、カリンやレモン、ダイダイなどの実りやメグスリノキ、ハゼなどの紅葉を楽しむことができます。

香りの庭

「香りの庭」には香辛料や野菜、精油など様々な方法で楽しまれているハーブ類が集められています。 ここでは眺めるだけでなく、実際に触れたり、香ったりできます。

燦々の部屋

燦々の部屋には温暖な地域で育つ植物を集めています。

基本情報

841-0004
  佐賀県鳥栖市神辺町288番地1
0942-84-3334
0942-84-3177
http://nakatomi-museum.or.jp/
naka-kus@lily.ocn.ne.jp
平成7年(1995年)3月28日