ここにくれば、人と「くすり」の歩みが分かる

設立趣旨

佐賀県鳥栖市田代から基山町にわたる一帯は、慶長4(1599)年に対馬藩田代領となり江戸時代中期に「田代売薬」が起こったところです。
それ以後の「田代売薬」の発展は、この地区に社会面及び経済面で大きな蓄積を残し、今日では製薬業は佐賀県の産業の一翼を担うまでに成長しました。
しかし、近代化の流れの中で、くすりの製造・販売に関わってきた伝統的な道具、文書類などはそのほとんどが散逸し、歴史のかなたに消え去ろうとしています。
これを惜しみ、先達の活躍に思いをいたすとともに「くすり」の文化遺産を通してくすりに関する産業文化を後世の人々に伝え、これからのくすりと健康について考える生涯学習の場として役立つことを願い久光製薬(株)の創業145周年の記念事業として当博物館を設立しました。
館内所蔵の資料は多くの方々のご提供によるものです。
※1995年3月28日開館。2010年より公益財団法人として運営しています。

基本設計

博物館の基本設計はイタリアの現代彫刻家チェッコ・ボナノッテの手によるものです。石とガラスを基調にした建物は、シンプルで力強く、庭園の緑とよく調和しています。

生命の種子

エントランスホールでは当館の基本設計を行ったチエッコ・ボナノッテ氏による彫刻作品『生命の種子』(2m×9m)を展示しています。

1階展示室

1階展示室は、現代のくすりと世界のくすりがテーマになっています。中でも19世紀末イギリスのロンドン郊外にあった薬局<アルバン・アトキン薬局>の移設展示は必見です。

また、映像コーナーでは華岡青洲とヒポクラテスが【薬と風の世界】(約10分)について楽しく解説します。

2階展示室

2階展示室は「田代売薬」を含め昔のくすりがテーマになっています。約70種類の生薬展示や2016年に佐賀県重要有形民俗文化財に指定された資料があります。

また、映像コーナー【田代のくすり】(約10分)では「田代売薬」についてわかり易く説明しています。

薬木薬草園

2002年に開園し博物館に併設しています。
約2600平方mの敷地は4つのエリアに分かれており、約350種類の薬用植物を四季折々楽しむことが出来ます。

四季の道

「四季の道」は身近な薬木、薬草を集めています。鳥栖市の木として親しまれるモチノキや佐賀県の木であるクスノキ、そのほか、ナンテン、ツバキなど県内に自生している薬用植物を楽しめます。

彩りの丘

薬草園の中央部、「彩りの丘」では、カリンやレモン、ダイダイなどの実りやメグスリノキ、ハゼなどの紅葉を楽しむことができます。

香りの庭

「香りの庭」には香辛料や野菜、精油など様々な方法で楽しまれているハーブ類が集められています。 ここでは眺めるだけでなく、実際に触れたり、香ったりできます。

燦々の部屋

燦々の部屋には温暖な地域で育つ植物を集めています。

沿革

1989年(平成1年)
8月24日

財団法人中冨記念財団 発足
1995年(平成7年)
3月28日
中冨記念くすり博物館 開館
1995年(平成7年)
12月26日
「田代の売薬習俗」が記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択される
1996年(平成8年)
2月5日
平成7年度 快適建築賞特別賞 受賞
2001年(平成13年) 博物館 別館増築
2002年(平成14年)
4月10日
薬木薬草園 開園
2010年(平成22年)
4月1日
公益財団法人中冨記念財団へ移行
2011年(平成23年)
3月31日
「田代の売薬習俗」が平成22年度変容の危機にある無形の民俗文化財の記録作成の推進事業として調査・報告が行われる
2016年(平成28年)
4月28日
当館所蔵の田代売薬関連の製薬・売薬・信仰儀礼用具及び文書資料3181点(附)売薬土産品(行商用)13点の資料が佐賀県重要有形民俗文化財に指定される